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他の合併症と深く関連する患部の血流障害
ワキガ・多汗症治療で考えられる術後の合併症はいくつかありますが、いずれも単独で起こることは少なく、それぞれが関連し合っています。この血流障害もその一つです。
剪除法などの手術によって広範囲に剥離された皮膚は、術後にしっかりと固定し、ある程度の時間をかけて自然に治癒させる必要があります。そして回復が進んでいく中で、毛細血管をはじめとする損傷を受けた組織が再生し、機能を取り戻していきます。ですがこうした「生体組織の回復・再生」には、そのためのエネルギーや組織の元となる素材が必要で、それを送り込むのが全身に張り巡らされた血管であり、血液なのです。そのため血流障害が起こると、その先の組織に必要な栄養分や成分を送り込むことができず、回復が遅れるばかりか皮膚が壊死してしまうことも少なくありません。
血流障害が発生する原因は
この血流障害が起こる原因はいくつかあります。まず一つは、術後の患部…それも皮下で出血が起こった場合です。
ワキガ・多汗症治療では程度の差はあれ、術後に皮下の出血…内出血が起こります。もちろん、その程度は手術法によって違いがあります。剪除法ではかなり広範囲で、大量の出血が見られますし、超音波法やベイザーを使用したトリプル・メリット法などでは、それほどでもありません。内出血は見た目にも目立つため、患者様はとても心配するものですが、通常レベルの内出血であれば、数日から数週間のうちに組織に吸収されますので問題はありません。
ですが出血量が多く、しかもそれが皮膚の外に流れ出すことなく皮下にとどまっていると、やがて血の塊（血腫」となって、血流を止めてしまうことがあるのです。こうなると皮下を開いて血腫を取り出し、患部の血流を回復させなくてはなりません。
術後のケアが不適切な場合にも起こりうる
もう一つの原因として、術後の圧迫固定が強すぎ、そのためにワキの血流を阻害してしまうケースがあります。
もともとワキは重要な神経や血管が多く集まっているところでもありますから、長期にわたって強い圧迫を加え続けることは決して好ましいことではありません。そこへ必要以上に強い圧迫を加えてしまうと、血流を阻害し、回復を送らせることにもなりかねないのです。
術後にどの程度の固定が必要か、またどれくらいの期間、それを続ける必要があるかということは、治療法によって異なるだけでなく患者様の状態によっても違ってきます。またカウンセリングや手術後に、今後の経過について医師やスタッフからの説明が必ずあります。まずはそれに現在の症状を照らしてみるべきではありますが、ご自身で判断しかねることもあるでしょう。わずかでも不安を感じたなら、遠慮なく医師に相談することが大事です。不安や心配ごとは速やかに解決して、安心して回復を待つのが得策です。
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