手術法によっては、しびれが残ることも
ワキガ・多汗症治療では、術後にしびれや違和感が残ることがあります。こうした症状は、それがどこに表れるかによって原因も変わってくるのですが、やはり最も多いのは施術した患部に起こるケースです。
ワキガ・多汗症の外科治療は皮下の汗腺類を取り除くことが目的ですが、その方法はさまざまです。超音波法以降の新しい手術法ですと、汗腺類だけを特定して破壊し、他の神経や血管などはできるだけ破壊せず温存されるような配慮がなされています。ですがそうした手法で手術を行っても、神経や血管を「絶対に傷つけることがない」ということはありません。他の治療法に比べれば少なく抑えることはできるものの、やはりある程度の損傷は避けることができないのです。
このように、皮下の微細な神経を傷つけることによって、患部のしびれや違和感が発生するのです。
この感覚がどれくらいで治まるのかは治療法によって異なり、また個人差もありますから、一概にはいえません。ですが剪除法などではワキの感覚が元通りになるまで半年から一年近くかかることもありますから、かなり長い目で見る必要がありそうです。
腕や肘のしびれは神経の損傷によるものか
患部のしびれとは別に、肘から腕にかけて、しびれるような感覚を感じるケースがあります。感覚異常が広い範囲に及ぶので「もしかしたら神経を傷つけてしまったのでは」と患者様が心配されることも多いでしょう。
しかし現在行われている治療法や医師の技術レベルを考え合わせれば、そうした心配はまずありません。よほど乱暴な手術を行ったのでなければ、感覚障害を伴うような神経の損傷を起こすことは考えにくいのです。
では、このしびれの原因は何でしょうか? 実は、術後の圧迫固定によるものなのです。
治療法にもよりますが、多くの場合は術後に患部をしっかり固定します。そのためワキを走っている神経が圧迫され、肘から腕にかけてのしびれや違和感となって表れてくるのです。ですから術後ある程度の時間が過ぎ、圧迫固定を外してしまえば、数日のうちに治まってしまうものなのです。
なお治療法によっては、術後の固定が不要であったり、短期間で済むということもあります。そうした場合には、このようなしびれが起こるリスクも低く抑えることができるといえるでしょう。
患部の回復には、それなりの時間が必要
患部はもちろん、腕のしびれや違和感というものはなかなか煩わしいものでしょう。ですがワキガ・多汗症治療では、その治療法によっては、これらの症状を避けて通ることができません。また、これらの症状が解消されるためには、数ヶ月から一年、場合によってはそれ以上の時間がかかることもあります。実際にどれくらいで治まるものか、それは治療法によっても違いますし、それ以上に個人差が大きく、事前に正確に予測することが難しいという側面があります。
ですからこれらのトラブルを避けたい、あるいは少しでも負荷を軽くしたいという場合には、まずそうしたご希望に合った治療法を選ぶことです。そのうえであなた自身の症状や体質を知り、医師とじっくり相談することが肝要です。いずれにしても、術後の回復にはそれなりの時間が必要です。焦ることなく、その時々の状況に合わせたケアを行うことが大切です。
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