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治療法によって異なる治療効果
ワキガ・多汗症治療で最も多いトラブルがこれです。せっかく治療を受けたのに、その効果がほとんどない…というのでは泣くに泣けません。またそこまで極端でなくても治療効果が低く、汗もニオイも「あまり改善されていない」というケースは少なくありません。
こうしたトラブルの原因としては、主に二つの理由が考えられます。まず第一に治療法の選択ミスです。
別の項目でもお話ししていますが、現在行われているワキガ・多汗症の治療法は数種類あり、それぞれにメリットもデメリットもあります。治療効果が高いものもありますし、逆に低いものもあるのです。また同じ治療法であっても、執刀する医師の技術力によってその効果が大きく左右されてしまうという場合も少なくありません。
たとえば剪除法などは出血や傷跡という不安要素はあるものの、患部を直接目視して手術を行えるという利点があります。ですから大きく切開し、ていねいに手術すれば、それなりの治療効果は見込めます。逆に現在広く行われている吸引法ですと、傷跡の不安はほとんどありませんが「手探りの手術」になります。そのため医師の腕の良し悪しがはっきりと表れ、経験の乏しい医師が執刀すると「ほとんど効果がない」ということにもなりかねないのです。
実際にどの方法で治療を行うかはクリニックによって違いますが、複数の手法を用意し、ケースバイケースで使い分けるというクリニックは少数派です。ですから患者様としては、まず「どのような方法で治療を行うか」「医師の技術レベルはどの程度か」ということを知ることが、重要になるのです。
症状の軽重によって結果が異なる場合も
もう一つの理由として、患者様ご自身の状態により、結果が異なる場合があります。
汗とニオイの発生源である汗腺類は、その総数も分布範囲も、さらにどのくらい活発に活動しているかということも、かなり個人差が大きいのです。それが症状の軽重となって表れるのですが、症状の重い患者様の場合ですと、治療したにも関わらずニオイが残っている、ということが起こります。
ただし、これも前項の「治療法の選択」が関連してきます。例として「汗腺の分布範囲が広く、総数も多い」という方の場合を考えてみましょう。
剪除法ではあまり大きく切開すると、傷跡もそれだけ大きくなります。そのため汗腺の分布範囲が広い場合は、ドーナツ状の「取り残し」が起こってしまいます。これでは治療後もニオイが残る可能性は大です。吸引法ですと慎重で繊細な手技が必要になりますが、かなり広い範囲にわたり、汗腺類を除去することができますから、こうしたことが起こりにくくなります。範囲の広さという点でいえば、高周波治療である「ミラドライ」などは、より広い範囲を治療することも可能になるのです。
患者様の状態に合った最適な治療が不可欠
このように、ワキガ・多汗症治療では「症状に合わせた最適な治療」を選択することが第一です。さらに、多くの経験を積んだ医師による「ていねいな治療」を受けることが重要になります。つまり後悔しない治療を受けるためには、まずあなた自身の症状を知り、その上でどのクリニックに行き、どのような医師の治療を受けるかを見定めることが欠かせません。そしてそうしたことを判断するには、いくつかのクリニックでカウンセリングを受けてみて、クリニックの様子を知り、医師自身の人柄に触れることがいちばんの近道です。
ワキガ・多汗症治療を行うクリニックは数多くありますが、「どこでも同じ」ということは決してありません。クリニックを選び、医師を選ぶことの重要性を、まずしっかりと覚えておいていただきたいと思います。
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