術後の「突っ張り感」は、正常な術後経過
外科的な手法によるワキガ・多汗症治療では、やり方の違いはあるものの、いずれも皮下の組織を広範囲にわたって破壊除去することになります。そのため術後の患部は皮膚と皮下組織が剥離された状態になっているわけです。
ここから患部の回復が始まるわけですが、その過程で、剥離していた皮下組織が少しずつ結合していくプロセスを踏むことになります。だいたい手術から一週間前後からこのような状態になりますが、この頃になると、患部に「突っ張り感」を覚えることが多くなります。
ですがこの感覚は、剥離していた組織がお互いにつながり合い、固定されていくために起こるもので、術後の経過としては自然なものです。つまり回復が順調に進んでいるということのしるしでもありますから、心配には及びません。
腕を自然に動かしていれば、やがて突っ張り感は消えていく
この皮膚の突っ張りを感じると、患者様の中には「あまり動かさないほうが良いのでは?」と思う方もおられます。ですがこれは逆で、痛みや出血がないのであれば、むしろ日常的な範囲内でしたら腕を動かしたほうが回復は早いのです。
そもそも突っ張り感というのは、皮膚の伸縮性が可動範囲についていけないために起こるもの。ですが皮下組織も含めて、皮膚にはかなりの伸縮性があります。ですから腕を動かし、ワキの皮膚を伸ばしたり縮めたりしていると、そうした動きに皮膚が慣れ、それに合わせた伸縮性を発揮するようになります。そうなれば突っ張り感も自然になくなっていくのです。ですから、術後ある程度の時間が経ったところで少しずつ腕を動かし、皮膚の伸縮を促すことも、回復を早めるために必要なことなのです。
回復には個人差もあり、無理は禁物
ただし、皮膚の突っ張り感が激しく、痛み伴うような場合には、無理は禁物です。治療後の経過は人それぞれに違いますし、回復のスピードも異なります。あるレベルまで回復するのに2週間かかる場合もあれば、3週間、4週間とより長い時間を必要とするケースもあります。ですからたとえ回復に時間がかかったとしても焦ることなく、その時々の状況に合わせた対応をとることが大切です。
また、もしも無理をしてしまって出血したり傷口が開いてしまったような場合には、すぐに医師に相談するようにしてください。場合によっては何らかの処置が必要になることも考えられますので、この点だけはよろしくお願いします。
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